ヴェネチアンビーズとは?
ヴェネチアはいまではイタリア共和国北東部に位置する一地方都市ですが、 その前身のヴェネチア共和国は7世紀末から1797年まで 1000年以上もの間に亘って歴史上最も長く続いた共和国でした。
アドリア海の最深部、 ヴェネチア湾にできた潟の上に都市が築かれ、 都市の内部を運河が縦横に走ることから水の都の別名もあります。
そのような都市の特徴もあり古くから海運が発達し、 ルネッサンス期には地中海貿易を独占し栄華を誇ったことからアドリア海の女王とも呼ばれました。
そのヴェネチアの栄華を支えた重要な交易品がヴェネチアンガラスです。
世界中を魅了したヴェネチアンガラスの高い技術を、 わずか数ミリのビーズの世界に凝縮したのがヴェネチアンビーズです。
伝統の技術
ヴェネチア政府は、重要な交易品であるガラス製法の国外流出を防ぐために 約700年前にガラス職人をヴェネチア本島の北東にあるムラーノ島に集めて保護したことが ヴェネチアンガラスの始まりと言われています。
多くのガラス職人が狭い島に集められ互いに競い合った結果、技術が磨かれ、 質が高く芸術性に優れたガラス製品が数多く作られました。
その伝統の技術を駆使して生み出される繊細優美なガラス工芸は王侯貴族を魅了しました。
その中でも、ムラーノ島で制作されたヴェネチアンビーズはその神技とも思える美しさのために、 古くは地位や富の象徴にもなり、現在でも世界の女性たちの憧れの的となっています。
ヴェネチアンビーズの特徴
世界中を魅了したヴェネチアンガラスの高い技術を、 わずか数ミリのビーズの世界に凝縮したヴェネチアンビーズ。
ヴェネチアンビーズの製法は、芯に銅線を使い、粘土の離型材を使用しないため、 銅線を抜いた後の穴が透き通っているという特徴があります。
そのような技術と完成された造形美で、生産量、種類、質の点で他国を圧しました。
3万色ともいわれるムラーノ島ならではの豊かなガラスの色彩、 そして人々の美意識や好みを反映させたデザインを思いのままに操ったビーズ細工師たちにより 丹念に心を込めて作られた一粒のビーズが世界の人々を魅了しました。
今でも海に浮かぶ孤島で熟練した職人達により一つ一つ手で作られている温もりのあり、 ひとつとして同じビーズは存在しないのも大きな魅力のひとつです。
世界に一つしかないそのビーズを大切にして下さい。